写真1 木のある教育環境
引用: 日本木材学会編 すばらしい木の世界
人間が集まる環境はそれだけで心理的なストレスがあり、疲れるものです。特に、児童・生徒や先生が毎日ともに過ごす学校では、ストレスを発生させる原因を少なくすることが必要です。その意味から、学校校舎が与えるイメージは重要です。調査によると、木造校舎とコンクリート造校舎のイメージは次の通りです。
○木造校舎のイメージ……自然で温かみがあり、快適性と接触感で鉄筋コンクリート造に勝っている。
○鉄筋コンクリート造校舎のイメージ……人工的で硬く、角張っていて落ち着きがない。
当然、校舎環境の違いは、そこで生活する子どもや教師の心理や生理にも大きく影響します。
図は、コンクリート造校舎から木造校舎になったときの評価の変化です。そこで、疲労感について調べてみると、多かれ少なかれ「眠い」「だるい」「集中力がない」などの疲労症状を訴える子供がいる小学校は、木造では44%ですが、鉄筋コンクリート造校舎では63%と1.5倍になります。さらに、生徒の10%以上が疲労を訴えるケースでは、鉄筋コンクリート造校舎は木造校舎の2倍強となり、その傾向がいっそう明らかになります。
一方、教師の疲労感では、「慢性疲労」が顕著で、「一般的疲労」「気力の減退」が目立ちます。図1で分かるように、疲労の訴えの比率は木造校舎の方がコンクリート造校舎より小さいことがわかります。また、その差は小学校では小さいのですが、中学校ではがぜん目立ってきます。どうも、鉄筋コンクリート造校舎の教師のほうが疲れていることは確実なようです。児童・生徒や先生にやさしい木造校舎をもっと増やし、のびのびと授業を楽しんでほしいものです。
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