日本における温暖化防止対策の課題の一つに森林の老齢化によるCO"吸収量の低下が挙げられます。
日本では戦後に将来の利用目的のために植林した木々が成長し、今では日本は国土面積の約7割を森林が占めるようになりました。日本は、先進国の中では、フィンランドに次いで世界で2番目の森林大国です。日本では、植林した木は成熟し、収穫期を迎えています。成熟した木々は成長が遅くなり、CO2の吸収量も少なくなります。
そこで、成熟した木々を、収穫して、適切に利用して、さらに、成長が盛んな若い木を植えることがCO2の吸収にとっては効果的なのです。しかし、日本の木材自給率は現在約3割です。7割は海外から輸入しています。これは、海外から木材輸送時に消費される化石燃料によるCO2排出という観点からも好ましい状況ではありませんし、日本で成熟した木々は使われずに取り残されているのです。結果として森林荒廃等の問題も起こっています。
日本の成熟した木を使い、そこに、若い木が植えられると、CO2をたっぷり吸収する健全な森林の育成が促進されます。
ところで、若い木を植林しても手入れをしないと、森林は荒廃してしまいます。具体的には、潅木やツルを除去する「下刈」や成長する過程で木々がお互いに干渉しないように適切に間引く「間伐」などが必要です。しかし、先述のように国産材が売れないため、資金が不足し、このような森林整備ができなくなっています。国からの助成もありますが、それでも採算がとれないのです。
結果として、間伐しても使われずに森林に放置されたり、全く人の手の入らない荒廃した森林も目立つようになり、山崩れ、土砂流出等の災害も起こりやすくなっています。さらには、不健全な森林は下流の漁業等にも悪影響しているということも聞くようになりました。
以上のことから、日本で育った木を積極的に社会に取り入れること。国産材製品を積極的に使うこと。これが木づかいによる環境貢献活動です。
木づかい運動が促進されると、森林の本来の持つサイクル「植える→育てる→収穫する(上手に使う)→植える→育てる・・・」が正常になり、森林の本来持つ、地球温暖化防止機能、国土保全機能、水源かん養機能等が発揮され、我々の生活を守ることに繋がるのです。
木づかいサイクルマーク
日本の美しい森の再生を願い、「植える、育てる、収穫する、上手に使う」という森のサイクルが、そのデザインに込められています。
同時にグリーンのサイクルは、「無限」をイメージし、森のサイクルが永久に持続可能であることを表現しするとともに、豊かな森林で地球温暖化防止や森を育てるエコ活動など地球環境を思う人たちの連携やつながりをイメージしています。
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