「木を使うこと」と「森を守る」ことは矛盾しているように見えますが、「木を使う」とは、原生林や貴重な天然林など保護すべき森林の木を伐って使うのではなく、使うために木を育てている森林(=人工林、育成林)の木を使うことです。
森林には「使うために木を育てている森林」と国立公園の一部や世界遺産などのように「保護すべき森林」があります。
この「保護すべき森林」は、国や地方公共団体により、現在しっかりと監視・管理され、美しい景観とともに私たちに恩恵を与えてくれます。
しかし、日本の森林の4割を占める「使うべき木を育てている森林」は、十分に管理されているとは言いがたい現状にあり、荒廃が目立つようになりました。この理由の一つは、海外からの輸入材が増え、日本の木(=国産材)の利用量が減ったためです。つまり、使うべき森林を育てても売れないため、間伐等の手入れをしても費用がかかり、採算がとれないのです。
人の手が入らなくなった人工林等の森林は、手入れされない田畑と同じように荒廃してしまうのです。
これを打開するためには、日本の木をもっと使うこと。木材需要の相当量をまかなうほどの森林資源が日本にはあります。
日本の木が使われるようになれば、日本の森林を育てる資金が山に還元され、健全な森林が育成される(荒廃から守る)ことになるのです。同時に、林業や地域経済の活性化にもつながることになります。
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