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学ぶ 木でがんを治す

木のパワーでガンを治す。大きな期待がかけられています。



抗ガン成分を採取するためのイチイ栽培

植物からガン細胞を死滅させる作用(抗潰瘍性)のある成分を見いだすことを目的として、現在までに多くの草本・樹木の成分が実験されてきました。抗腫瘍性を示す化合物は年々いくつか発見されていますが、毒性試験を通過して臨床試験にまで持ち込まれる化合物は少なく、さらに、その試験にパスして実用化されているものは極めて少ないのが現状です。
 最近、医薬品として認可され、注目を浴びているのが太平洋イチイ樹皮から得られたタキソールという化合物です。 タキソールは太平洋イチイの葉、小枝、材、根にも含まれますが、含有量が非常に少なく、木の成長が大変遅いため、化合物の合成、組織培養などのバイテク技術を使ったタキソールの製造の試みや、太平洋イチイ以外のイチイ科の木への探索も行われています。

その結果、フランスに生育するヨーロッパイチイや、日本のイチイ、キャラボクにもタキソールが含まれていることがわかりました。イチイを栽培し、効率よくタキソールを取り出す研究も始められています。
 タキソールは子宮ガン、乳ガン、肺ガン、大腸ガンなどに対して制ガン作用を持ち、ガンの治療薬として大きな期待がかけられています。
 中国原産の喜樹は成長の早い高木で、その成分カンプトテシンは消化器系のガンに有効です。しかし毒性が強いことから、現在はその誘導体の臨床試験が行われています。
 ほかにもイヌガヤ科樹木、山野に見られるツル性の落葉樹のツヅラフジ科カミエビ、ヌマスギ、ユリノキ、ジンチョウゲ科樹種などからも動物実験で抗腫瘍性、さらには人に対して抗ガン作用を持つ化合物が見いだされています。