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読む ここがすごい!! 国産材

日本の森林を育てる「国産材割り箸」


日本は「木の文化を持つ国」で、割り箸を発明した「割り箸の文化」を持つ国でもあります。江戸時代に発明され、飲食店とともに普及してきました。しかし、1980年頃から、割り箸は「使い捨て商品の象徴」、「森林破壊の元凶」のように言われてきました。現在は、割り箸利用による環境的な効果、経済的な効果、資源リサイクルによるエコロジー等の付加価値が見直されつつあります。


割り箸は「資源を大切にする心」から生まれた

現在、普及している木製の割り箸は、明治時代に、吉野(奈良県)で樽(たる)材として使っていたスギの端材(はざい=樽の製造過程で必要な部分を切り取ったときにできる余った木片など)を有効に活用することから生まれたものです。 今では、樽の製造は少なくなり、吉野スギの大半は建築用材として使われますが、割り箸は建築材を採った残りの端材や間伐材でつくられ、資源を大切にする心は今も受け継がれています。
繊細な細工や染織も、鮮やかな色と形を失わず残っています。薬や香料は今でも効能を保っていると言われています。 校倉でつくられた正倉院の保存機能がいかに優れているかがわかります。これほど優秀な倉庫は、世界でも正倉院をおいては他にはなく、正倉院は「世界の宝庫」と言われています。


日本の割り箸製造の現状

日本人が発明し、日本の食文化とともに普及してきた割り箸ですが、残念ながら、現状は衰退傾向にあります。主な理由は、安い外国産材の割り箸が輸入されるようになったからです。

現在、日本で使われている割り箸の約97%は外国産で、そのうち中国産の割り箸は98%を占めています。平成5年には、300軒以上あった国内の割り箸工場も現在は100軒程度になってしまいました。


割り箸の利用は「はげ山」をつくるのか?

日本の割り箸使用量は、年間227億膳。莫大な数字に見えますが、年間227億膳に要する木材は、日本の年間木材利用量の0.3%にしかなりません(※)。

日本の割り箸は「資源を大切にする心」から生まれた日本独自のアイディア商品です。本来は捨てられる住宅・家具等の端材(=はざい:必要な部分を切り取ったときにできる余った木片など)や間伐材を有効活用して作られるため、国産の割り箸と「森林破壊」や「はげ山」などの問題とは次元が違います。

むしろ日本の割り箸の生産は、山村経済の活性化につながり、間伐等の森林の手入れを促進します。そして、荒廃が目立つ今の日本の森林をCO2をたっぷり吸収する健全な森林をつくります。

年間木材利用量は、外国産材を含む木材供給量7797万m3(丸太換算)とし、割り箸1膳を11cm3として計算。国産材に対する国産割り箸の率もほぼ同じ結果となる。